松尾剛 製作現場

シンプルで自然な素材感を生かした作品を手掛けられる陶芸家の松尾剛さん。岐阜県瑞浪市にある松尾さんの工房から、ものづくりの現場をお伝えします。

 

作品が生まれる場所

こちらが松尾さんの創作の拠点となる工房。工房内には電気窯を設置しており、素焼きと酸化焼成は自身の電気窯を使用します。還元焼成の場合は愛知県瀬戸市にある貸しガス窯を利用しています。

 

ものづくりを支える職人道具

ろくろ挽きの後、高台(足の部分)を削るために使用するかんな。
金属板の一端を金槌で叩き強くしてから先を90度に曲げ、やすりで刃を付けながら自分の使いやすい形に作っていくのです。

奥に見える青いかんなは、陶器ではなく磁器に使用するもので、タンガロイというとても硬い合金で作られています。

とんぼという名前の道具で、ろくろで形を作るときに器に当てて、口径と深さを測るのに使用します。竹ひごで器ごとに作っていきます。

左より付立筆(大)(中)(小)、長刀筆、面相筆、平筆、だみ筆。絵付のときに使用する筆のなかで、特によく使うものです。

その中でも、一番右のだみ筆の使い方はちょっと特殊で、筆の中に絵の具をためて、色を注ぎ込むような感覚で使用します。一般的な形の筆で面の塗りをすると筆跡がくっきりと残ってしまうので、だみ筆を使用し筆跡が目立たないようにします。

 

製作ノート

器の寸法や絵柄の記録などは、ノートに書いて残しておきます。作り手としての財産とも呼べるノート。

 

研究技法

将来陶芸教室を開きたいと語る松尾さんは、さまざまな技法も積極的に勉強しています。

こちらは「片切彫り」と呼ばれる技法。デザインは中国の北宋時代の鳳首瓶(ほうしゅへい)の図案にならったもので、小さいかんなで彫ることで、立体感のあるレリーフ状にしています。非常に手の込んだ仕事です。

こちらは「飛びかんな」と呼ばれる技法。九州の小鹿田焼(おんたやき)でも使用される有名な技法です。ろくろの上で回転している器にかんなを当てることで、皿の表面でかんながはねて、模様が付いていきます。

こちらは「鋳込み」と呼ばれる技法でレモン絞りを作っているところ。レモン絞りの中央の部分を陶土で作り、それを石膏で型どりしていきます。
その石膏の型に液状の粘土を流し込んでいくことで、石膏が粘土の水分を吸って、型通りのレモン絞りができあがります。

瀬戸の絵皿の図案にならった染付皿。
焼き物は紙と違い生地が水を吸うため、紙に描くときのスピードでは、水が吸収されて筆が引っかかってしまいます。そのため、ためらうことなく一気に描かなければいけません。

 

ものづくりの場面

急須の茶こし部分。厚さ2ミリの粘土の板を作って、そこにひとつずつ穴を手作業で開けていきます。破れやすいので集中力が必要な作業。

器の貫入(釉薬表面のヒビ)を染めるためのトチ渋作りの材料。クヌギのかさを水に漬けると茶色い色が出てきます。そこに真っ白な器を漬け込むことで、貫入の中にトチ渋が染み込んで、模様がはっきりします。

トチ渋が染み込んだ貫入の器。

黒釉を使用した器。黒釉は購入したものと自分で調合をしたものを使い分けています。こちらは金属を多く含んだ釉薬で、金色が少し浮いて出ているタイプ。

シンプルな器だと、料理がよく映えます。料理であれ、花であれ、主役を引き立たせる器です。

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