製作現場

一般的に切子は削る前に「割り付け(割り出し)」という作業が必要になります。簡単にいうと、設計図通りに削るための下書きのようなものです。基本的には写真のように割り付け機で線をつけていくので、等間隔に印を描くことはできます。ただし、ガラスを拭いているのはあくまでも人間なので、ガラス自体が微妙にゆがんでいることも少なくありません。そのため、自分の目で確認して調整しながら、正確に描いていく必要があるんです。

そうして早速削り作業に入ります。最初は大きな粗削りから。中心のホイールを高速回転させ、水をかけながら徐々に削っていきます。切子って「ガラスが破裂したりして危なくないのか」と疑問に思う方も多いと思いますが、破裂したりすることはまずないそうです。もちろん削った細かいガラスの粒子は危険なのでゴーグルなどは着用しますが。ただ、やりすぎて穴が空いたり、回転の勢いに持っていかれて、ガラスがピューンと飛んでいくことは、ごく稀にあったのだとか(笑)。

実際に削ったものがこちら。割り付けどおりにぴったりと削られていますね。さすがは職人!この後はさらに細かく線を入れてゆき、磨きの工程に入ります。

さらに細かく削ってゆくと、このように。このままでも十分美しいですが、「石掛け」「研磨」をすることで、滑らかになり、ガラス本来の輝きを取り戻してゆきます。

こちらは石掛けと呼ばれる作業。一見最初の粗削りと同様に見えますが、こちらはガラスの表面を滑らかに、そしてより透明感を出すために行われる作業です。

続いて、こちらは研磨の工程。研磨剤の役割を果たす、砂のようなものを水に溶かし、ハケでコルクに塗っているところです。これをまた高速回転させて、研磨してゆきます。木やコルクで研磨することで、削ったときにできた凹凸や、粗いカット面を整えるのです。

そうして仕上げの研磨。布製のバフで優しく磨きあげ、くすみを無くしていきます。すると…

このようにピカピカに。

製品はこちら。美しい切子ガラスがこのように生まれていたなんて、初めて知った方も多いのではないでしょうか。またただ削るだけだと思っていた人も多いはず。こうした作品たちは、すべて職人がひとつひとつ手作業で仕上げているんだと思うと、切子がいかにガラス工芸の中でも特別な存在か、ご理解いただけるかと思います。美しさの裏に隠された、技術と手間をあらためて思い知ったような気がします。

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