職人インタビュー

愛知県知多市で生産される昔ながらの”知多木綿”。その昔、知多地域では木綿製品の産地として栄えていたことから、今でも昔ながらの製法で木綿製品が作られています。その技術と伝統を継承しようと活動されている団体”つものき”さんにお話をおうかがいしました。

 

ーー”つものき”結成の経緯を教えてください

平成2年から「つものき」の前身である、知多木綿研究会が生まれました。元々は知多木綿を教える教室が知多市にあったのですが、その教室を卒業した人たちが集まり、研究会として発足したことが始まりです。知多地方に伝承される古文書を読み解いて、古くから伝わる知多木綿の技法を蘇らせたり、織りの技術を高めあったりしていました。そこから時を経て、1990年に「つものき」に名前を改めて現在に至ります。

 

ーー”つものき”とはどういう意味でしょうか

“つものき”というのは、糸車で糸をつむいで出来た形を、知多地方ではそう呼んでいたのです。名前はそこから頂きました。研究会の時代は、知多木綿の研究や技術向上を目的としていましたが「つものき」では後世へ技術を伝承する事に重きを置いています。もちろん、日々研究も続けていますけどね。

ーー”つものき”では具体的にどのような活動をしているのでしょうか

ここでは自分だちの技術向上だけではなく、教室を運営しております。機織りの技術だけではなく、糸車による糸紡ぎから、草木染などの技術を3年間かけて習得できます。教室は土曜日に開催していますので、会社勤めの方でも習うことができるんです。男性も習いに来られて、3年間しっかり技術を身につけて卒業された方もいらっしゃいます。またこの工房で作品を販売もしていますし、依頼があれば実演や作品展にも足を運んでいます。こうした活動を通して、皆さんが興味を持っていただければ幸いですね。

 

ーー”つものき”のこだわりを教えてください

私たちの作品は、すべて自然の物から作っているんです。染色にしても天然の草木で染め上げているんです。それも知多地域で採取したものにこだわっています。裏の庭では染料の元となる藍や小鮒草(コブナグサ)も自分たちで育てています。もちろん、糸の原料となる綿の木も栽培しています。化学染料は一切使用しません。

ーー機械で織られたものと、手作りの違い

機械とは違い、昔のハタゴには金属が使われていないので糸に優しいと思います。だから手触りや風合いも変わるのではないでしょうか。また作った人の気持ちが込められているというのは、誰でも嬉しいものじゃないでしょうか。

お母さんが作ってくれた料理が一番といいますよね。食べてくれる人、使ってくれる人の事を考えて作られた物はやっぱり格別なんだと思います。使う人の事を考えて、手間をかけて作りますので、作り手の情熱やこだわりが見てとれます。そういう物語がある品は素敵だと思いませんか?

 

ーー皆さんとっても楽しそうに機織りされていますね!

つものきのメンバーは皆同じ立場なんですよ。団体となれば序列がありますが、私たちは皆が対等です。形式上で会長や役員を決めているのですが、それも毎年交代で務めています。

だから乱暴な言葉は使わないですけど、喧嘩はしょっちゅうありますよ(笑)。でも言い争えることで、より良いものが生まれると思います。それに次の日になったら言い争ったことも忘れてしまうのでいませう。皆が先生で、皆が生徒になるんです。

また木綿に関しても、使用する糸の組み合わせによって、織りあげた時に思いもよらない色になることもあります。糸を染める草木染においても、組み合わせ次第で表現の幅が広がることもあります。毎日が新しい発見の連続なんです。その他にも新しい模様を考案したり、技法が記された古文書を解読したり、興味が尽きませんね。

 

ーー職人 Times をご覧の皆様へメッセージをお願いします

私たちの作品はすべて一点一点手作りで仕上げています。この色合いや手触りは機械で表現できません。また人が作った温かみを感じていただけると思います。綿を栽培している方で、用途に困っている方は、私たちのもとをお尋ねください。綿くりや糸紡ぎを一緒に楽しみましょう。機織り体験もやっていますので、ぜひ遊びに来てくださいね。

 

プロフィール

つものき -TSUMONOKI-

知多木綿の伝承、普及のために活動をされている職人集団”つものき”。
今回取材にご協力して下さった皆さん以外にも10以上が在籍しています。